資本主義の初期においては

窮乏化法則により労働者階級の悲惨なまでの貧困な生活状態が現出され、労働者の肉体的能率を維持するための最低限以下の「絶対的貧困」が焦点の問題であった。

しかし、資本主義の発展の過程で、労働者階級内部に階層分化が進むにつれ、諸階層間の生活水準の格差からくる「相対的貧困」が問題とされるようになった。

今日のように資本主義も高度な発展を遂げると、一方では、賃金や社会保障給付の一定の改善の結果、貧困問題は解消しつつあるという見方も生じるが、他方では、一般大衆の所得水準、消費水準の上昇に伴う生活様式の全般にわたる変化により、あらゆる階層にさまざまな形の深刻な生活問題がおこるとともに、都市問題、公害問題などが顕在化するようになると、これらの社会問題との関係で生ずる国民全体の生活のバランスの失調状態を「現代的貧困」あるいは「新しい貧困」と称して問題にする場合もある。

社会保障は現代資本主義が生み出す

貧困・生活不安などの生活問題に対して、国民生活を保障することを通して、国内・国外の社会主義に対抗しつつ現代資本主義国家を維持し、延命を図ることを目的とした生活保障政策をいう。

社会保障という用語は、1933年アメリカ合衆国で経済保障あるいは所得保障にかわるものとして造語されたもので、それが35年社会保障法として初めて公用語として使用された。

しかしその内容は、ヨーロッパ諸国の制度に追いつこうとしたものにすぎない。

社会保障は、W・チャーチルの有名なことばを借りれば、「揺り籠から墓場まで」の国民生活を保障するものである。

国民の生活は、失業、労働災害、傷病、老齢などの生活上の事故で所得が中断または永久に失われたり、支出が増大したりして、脅かされたり破壊されたりする。

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